月あかりの中で想うこと

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子どもの頃…
福音館書店から、
箱の腹が膨らむくらい
たっぷりと
絵本が詰め込まれたダンボールが
毎月毎月、
何年にも渡って送られて来てた。
送り主は『サンタ』。
真夏でも いつもサンタ。
妹と私がふたりで使う部屋には、
天井までそびえる 大きな本棚が
作り付けられていたのだけど、
終いには
そこに収まりきらないくらいの
絵本や本に囲まれて暮らしてた。
オモチャを欲しがる
性格ではなかったのか、
買ってもらえなかったのかは
さだかじゃないけど、
本があれば 他に何も無くても
ずっと読み続けられたし、
物語の中の空想の世界で
いくらでも遊び続ける
器用さがあったから、
妹も私も
その暮らしがとても気に入ってた。
ふたりで屋根に登って 空を仰いでは
今読んだ本の
あらすじや感想を語り合い、
庭にゴザを敷いては、
本の話を演じてみたり…
そうやって ふたりくっついて
大きくなったと思う。
…四十年の時が流れ、
それぞれの時間と生活を重ね、
もう随分
色んなことに隔たりがあるはず…と、
思っていたのだけど…。
先日、沖縄フォトツアーに
ふたりで便乗した最終日、
初めて通った
壺屋の並木道の一画に、
ふたりの足が
ピタッと止まって
動かなくなってしまった。
「空港に行く時間だからダメッ!」
と言う 相方の声は
耳の側を素通りで、
妹も私も同時に
その店に吸い込まれてしまってた。
「こんなところに絵本屋さんが!」
あっ、これもあった
わぁ、これもッ!
姉ちゃんとか 妹とかではなく、
もう 互いを
名前で呼び捨てあうような
年齢を重ねたふたりが、
時間を忘れ、
時を越えて、
ただただ無心に絵本と向き合う。
「姉ちゃん、何買う?」
…今 妹が姉ちゃんって言った…
不思議な感覚の中、
妹の横に母が立って
一緒に本を選んでいるような気がした。
…私たちに
本を届け続けてくれた
サンタの姿は
もう永久に見られないけど、
サンタは 数え切れない程の物語と
絵本を愛する『跡』を
遺してくれてたんだ…。
跡をもっているのは
この世にふたりだけ、
そう気付いて
妹を愛おしく感じながら、
相方に促され外に出た。
離れがたくて
本屋の看板をもう一度見上げた。
hoccorie…
ホッコリエか…。
なるほどね。

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